セリエ上位陣は軒並み監督を交代。
ユベントスを倒すのはどこだ? (2ページ目)
アンチユベントスの最大の候補はナポリとインテルだろう。
ナポリはここ4シーズン、ユベントスにぴったりとついてスクデットを狙ってきた。打倒ユベントスは彼らの悲願だ。そのうえ、ナポリサポーターのライバル心に火をつけたのが、サッリのユベントス監督就任だ。
ナポリの最大の強みはすでに完成したチームを持っていることだ。監督のカルロ・アンチェロッティは2年目。攻撃の核となるアルカディウシュ・ミリク、ロレンツォ・インシーニェ、ドリース・メルテンス、ホセ・カジェホンなどもそのまま温存されている。他のチームが試行錯誤をするなか、一歩先んずることができるかもしれない。最後の仕上げとして、マウロ・イカルディ(インテル)、フェルナンド・ジョレンテ(トッテナム)、もしくはハメス・ロドリゲス(レアル・マドリード)のレンタルを画策している。
インテルは監督にアントニオ・コンテを招聘した。コンテはユベントスの選手として18シーズンプレーし、その後は監督としてチームを3連覇させ、現在のユベントス一強の礎を作った本人だ。とにかくユベントスのイメージが強いため、チーム内外から賛否両論の声が上がり、あからさまに嫌悪感を示すインテリスタも少なくはなかった。
しかし、今のままのインテルではダメなことは確かだ。レベルの高い選手をそろえながらも、それを使い切れないのが常である。そんな体質を鬼軍曹コンテが変えられるか。サポーターは大いに期待している。その証拠にすでに年間シートは4万席も売れている。同じサン・シーロを本拠地とするミランの3万や、ユベントスの2万7000を大きく超えていている。開幕戦では、久々にスタジアムの3階席までを開放すると言う。
インテルの補強の目玉はなんといってもロメル・ルカク(←マンチェスター・ユナイテッド)だ。コンテのたっての希望である。これでイカルディの居場所はほぼなくなってしまった。
ここ数年、オーナーが次々と変わり、財政危機が叫ばれていたミランは、今回、ヨーロッパリーグ出場権を自ら返上することで、やっと先行きが見えてきた。この6月にはレジェンドのパオロ・マルディーニとズボニミール・ボバンがフロントに入り、新たなミランを感じさせた。
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