歯がゆさ募る原口元気。
不安定な立場にも「今はここで集中する」
2部に降格したハノーファーが、スタートから苦しんでいる。第4節までを終えて1勝2分1敗。ドイツ杯でも1回戦で敗れてしまった。経済的な事情から放出したニクラス・フュルクルク(ブレーメン)、イフラス・ベブー(ホッフェンハイム)がすでに1部の新天地で得点を挙げていることを考えると、降格の厳しさが身に染みる。
第4節はグロイター・フュルトを迎え、ホーム初勝利を目指したが、先制したのはグロイタ―・フュルトだった。後半開始直後に追いついたものの、結局、1ー1で試合を終えた。
後半開始から出場した原口元気は、落胆と脱力を隠さない。
去就が注目される原口元気(ハノーファー)「とくに前半はボールが回らなかった。後半に僕がボランチで入って、なんとかテンポよく回そうと心がけて、しっかり前に行けた。でも、そこから先のクオリティがちょっと冴えなくて、2点目が取れなかったです。これ(ボランチでボール回しをすること)は俺がやりたくないけど、その役目をやれるボランチがいないので......」
ボランチでボールを保持することで、前線に時間を与える。必ずしも守備を求められるわけではなく、攻撃的な役回りではあるが、自身が前線に上がるのではなく、中盤でつなぐことがミッションだった。事実、得点シーンでも、原口は中盤にとどまったまま。攻撃的MFとしては歯がゆさが募る。
「空いたポジションでプレーしている感じ。普通にサイドをやらせてもらえれば、やりたいプレーもあるんですけど、出たポジションで力を発揮するというのは去年と変わらないので、しっかりやりたいなと思います」
開幕からの4試合で、原口は先発1回、途中出場2回、出場なしが1回。チームを牽引する10番という役割は全うできていない。
チームの降格が決まった昨季の終盤から、原口は「次に向けて......」と発言していた。日本代表の現役選手であり、1部のクラブでのプレーを模索するのは当然だろう。これに対して、プレシーズンにはマルティン・キンド会長は「手が上がれば放出する」と発言。さらに、原口は今季から指揮をとるミルコ・スロムカ監督と折り合いが悪いとも報じられた。
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