2019.08.23

セリエ上位陣は軒並み監督を交代。
ユベントスを倒すのはどこだ?

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko
  • photo by Getty Images

 ユベントスを止められるのはどこか。ここ数年のセリエAの話題はそのひと言に尽きる。ユベントスが圧勝し、ナポリ、インテル、ミラン、ローマがあとを追う……そんな状況がもう8年も続いている。だが、今季こそはついにその勢力図に変化がもたらされるかもしれない。その最大の要因は監督だ。昨シーズンの上位6チームうち、4チームが新監督を迎えている。驚いたことに、連覇記録を更新中のユベントスまでもが監督を代えた。

ユベントスで2シーズン目を迎えるクリスティアーノ・ロナウド ユベントスがスクデットに一番近い存在であることには変わらない。その強さの秘密は、どんなに勝ち続けても守りに入らず、常に攻めの姿勢を貫くことにある。昨年の夏にはクリスティアーノ・ロナウドを獲得してイタリア人を喜ばせたが、今シーズンは連覇中の監督の首をすげ替えて周囲を驚かせた。

 新監督は、ナポリやチェルシーを率いてきたマウリツィオ・サッリだ。スペクタクルで攻撃的な彼のサッカーは、「サッリズム」と呼ばれ、イタリアの辞書にも載るほどだ。前任のマッシミリアーノ・アッレグリは堅実で、いかにもイタリアらしい結果第一のサッカーだったが、ユベントスの幹部は、連覇するだけでなく世界を魅了するようなベル・ジョコ(見事なプレー)が欲しかったのだろう。

 ただ、ナポリでは成功していた「サッリズム」もチェルシーでは受け入れられなかった。組織的なメカニズムを重視した制約の多いプレーに選手たちが反発したのだ。同じようにスターひしめくユベントスでサッリズムがどこまで通用するかはわからない。サッリ自身は従来の戦術にはこだわらないと言っているが……。

 ユベントスの補強は相変わらず豪華だ。世代交代が叫ばれるDFには世界レベルの若手DFマタイス・デ・リフト(←アヤックス)と経験豊富なブラジル代表ダニーロ(←マンチェスター・シティ)を獲得。中盤には技巧派のアドリアン・ラビオ(←パリ・サンジェルマン)とアーロン・ラムジー(←アーセナル)を補強した。また、復帰組にはゴンサロ・イグアイン(←チェルシー)、そしてチームの旗印となるジャンルイジ・ブッフォン(←パリ・サンジェルマン)がいる。そのほかにまだ大物を狙ってもいるようで、移籍市場が閉まる9月2日までにはサプライズがあるかもしれない。