セリエ上位陣は軒並み監督を交代。ユベントスを倒すのはどこだ? (3ページ目)
緊縮財政を強いられるため、この夏は価格の安い若手選手を中心に補強。獲得した選手の多くが25歳以下だ。そんな若いチームを率いるために選ばれた監督がマルコ・ジャンパオロ。ビッグチームを率いた経験はないが、これまで多くの若手をブレイクさせている。戦術を重視する彼のサッカーは、スター不在のチームに適しているだろう。GKジャンルイジ・ドンナルンマが、最終的にはパリ・サンジェルマンに行かずミランに残ることを選択したこともプラス材料だ。
フランチェスコ・トッティとダニエレ・デ・ロッシが同時に去ってしまったローマもまた新たなチームを目指す。その任を託されたのがポルトガル人監督のパウロ・フォンセカだ。彼はかつて壊滅状態にあったシャフタール(ウクライナ)を勝利に導いた経験があるが、今回もレジェンドの抜けたローマを救うことができるだろうか。
補強したのはレオナルド・スピナッツォーラ(←アタランタ)、アマドゥ・ディアワラ(←ナポリ)、そして昨シーズンのアタランタの躍進の鍵となったジャンルカ・マンチーニなど。なによりもインテル行きが濃厚と噂されていたエディン・ジェコとの契約を更新できたことがこの夏最大の成功だ。
昨シーズンの何よりのサプライズはアタランタだった。アタランタのイメージといえば長らく"ビッグクラブへの選手供給チーム"というものだったが、今シーズンはチーム史上初めて、チャンピオンズリーグに挑む。ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督のもとにはビッグチームからのオファーも寄せられたが、彼はアタランタに残ることを希望。選手も昨季の主力はほぼそのままで、完成度の高いチームを目指す。
最後に冨安健洋の加入したボローニャについて触れておこう。最大の武器は監督のシニシャ・ミハイロビッチだが、そのミハイロビッチが白血病の治療でベンチを離れてしまった。ただ、ミハイロビッチはビデオで試合中継を見ながら、病床から指揮を執るという。その熱意がチームを一丸にすることは間違いないだろう。
セリエAは8月24日に開幕。第2節には早くもローマ対ラツィオの首都ダービー、そして因縁のユベントス対ナポリの好カードが組まれている。
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