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板倉滉のマンC移籍を考察。
レンタル先がフローニンゲンなのは好材料 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 このような例に加え、チェルシーからの青田買いオファーを断って移籍先をマインツ(ドイツ)に決めた武藤嘉紀(現ニューカッスル・ユナイテッド)がその後に歩んだ道を考えると、ビッグクラブの青田買いについて疑問の声が上がるのも当然なのかもしれない。

 しかし、だからと言ってそれほど悲観する必要はないだろう。青田買い移籍を果たした板倉にも、希望の光は十分にある。まず、レンタル先がフローニンゲンであることが好材料のひとつだ。

 今シーズンのフローニンゲンは開幕から苦戦を強いられ、現在も残留争いから抜け出せていないという厳しい状況にある。今シーズンから監督がダニー・バイスに替わったこともあるが、なにより昨シーズンの主軸中の主軸だったボランチのジュニーニョ・バクーナをハダースフィールド・タウン(イングランド)に引き抜かれてしまったことが痛手となった。

 システムが定まり始めた秋口からは、センターバックのサミル・メミシェヴィッチを1列上げてボランチで起用し、ルドヴィート・レイスと組ませることでようやく落ち着くようにはなったが、攻守両面においてこのコンビが盤石というわけではけっしてない。

 早くもクラブ幹部からは「板倉を中盤で起用したい」というコメントが伝えられているが、そういう点では板倉がボランチのポジション争いに食い込む可能性は高いと見ていいだろう。しかも、レンタル期間は半年ではなく、1年半用意されている。これも、ヨーロッパ初経験の板倉にとってはプラス材料だ。

 オランダのクラブへのレンタルという点では、アーセナルからフェイエノールトにレンタル移籍した宮市のケースと似ている。同じように初めてヨーロッパでプレーした当時の宮市は、フェイエノールトでセンセーショナルな活躍をしてレギュラーを確保。市場価値を一気に上げたことは、サッカーファンの記憶に新しいところだ。

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