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今季のバイエルンとレアルに共通する
「ビッグクラブゆえの悩み」 (2ページ目)

  • photo by Getty Images

小澤 ビッグクラブであるがゆえに、ここ数年は大物選手を新しく獲得することができていないという部分が共通点のひとつだと思います。国内からそれなりにいい選手を獲得していますけど、あくまでもそれは若手や中堅クラスの選手に限られていて、チームの新陳代謝を促すようなビッグネームの補強はありません。どちらもこの夏に監督が交代しましたが、チーム内における選手の序列、あるいは主力選手への依存度は変わっていないので、どうしても蓄積した疲労が露呈してしまいます。

 監督が戦術面で何か新しいものをチームに取り入れるとか、長年プレーする選手たちに新しいモチベーションや刺激を与えられればいいのでしょうけど、正直、まだコヴァチはそこまでのものは持っていないのではないかと見ています。

倉敷 ライバルチームに勝てていないという共通点もありますね。バイエルンの場合はボルシア・メンヒェングラートバッハにも(第7節)、ドルトムントにも勝てなかった(第11節)。さらに、格下のチームを相手にするとやや集中力に欠けるところも似ています。

 マドリーはエイバルに完敗(第13節)、バイエルンもアウクスブルク戦(第5節)やフライブルク戦(第10節)でドロー、極めつけはデュッセルドルフ戦(第12節)で、降格圏にいたチームに一時は2点のリードをつけながら試合終了間際に追いつかれてしまいました。まさに大失態と言える試合を演じてしまった原因のひとつは小澤さんがおっしゃったように選手の疲れにありそうですね。

小澤 何度も言っていますが、とくに今年の場合は、ワールドカップの影響が相当あるのではないでしょうか。スペインもドイツも早期に敗退しましたけど、選手たちはワールドカップのために夏のオフをある程度削りながらシーズンに入ったことは確実ですし。

 あとは、バイエルンもマドリーもセンターバックとゴールキーパーのところでチームを鼓舞してまとめられないという部分が気になります。現在のバイエルンで言うと、マヌエル・ノイアーもジェローム・ボアテングもマッツ・フンメルスもそうですが、後ろからチームのベストパフォーマンスを引き出せているかというと、そうは思えません。そういうところでチームの士気を上げられていないという点は、確かにマドリーと似ている構造だと思います。

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