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今季のバイエルンとレアルに共通する
「ビッグクラブゆえの悩み」 (3ページ目)

  • photo by Getty Images

倉敷 監督交代の変遷も見ましょうか。マドリーはジネディーヌ・ジダンというカリスマのある監督が突然退任し、フレン・ロペテギにバトンタッチされ、さらに若いサンティアゴ・ソラーリにバトンは託された。バイエルンはチャンピオンズを獲ったユップ・ハインケスから満を辞してペップ・グアルディオラが率いる強者の時代へ突入したわけですが、ペップの時代でもチャンピオンズリーグは獲れなかった。

 そして次の監督はカルロ・アンチェロッティになるわけですが、アンチェロッティほど風通しのいい監督であってもこのクラブは難しい。最後はアリエン・ロッベンやフランク・リベリーらと軋轢を起こして解任。クラブは苦肉の策としてウィリー・サニョルを挟んだあとシーズン途中でユップ・ハインケスを呼び戻すわけですが、それで2度目のチャンピオンズを獲れるほど甘くはない。そういった変遷を経て、今シーズンは元選手で昨季はフランクフルトを率いてカップ戦で実績をあげたコヴァチにスイッチしたわけです。

中山 もうひとつマドリーとバイエルンの共通点を挙げると、そこには「ポスト黄金時代」というキーワードがあると思います。マドリーはジダン監督の下で前人未到のチャンピオンズリーグ3連覇という偉業を成し遂げました。一方のバイエルンもブンデスリーガで誰も成し遂げていない6連覇という記録を更新中です。そういうなかでは、なかなか世代交代をするのが難しくて、小澤さんがおっしゃったように、新戦力として大物を迎え入れることをクラブのフロントも躊躇してしまうのも仕方ないかもしれません。

 そういう意味では、この両チームの低迷は起こるべくして起こったというか、いずれ必ずやって来る時が今シーズンにやって来たということなのではないでしょうか。先日、バイエルンではその黄金時代の中心として活躍してきたロッベンが今シーズン限りの退団を発表し、ウリ・ヘーネス会長によれば、リベリーも今シーズンでクラブを去ることになるようですから、どうやらフロントも世代交代に本腰を入れ始めたと見ていいかもしれません。

倉敷 選手たちのパフォーマンスはどうでしょう。エースのロベルト・レヴァンドフスキはしっかりとゴールを量産できていますね。国内リーグでも7ゴール(第13節終了時点)、チャンピオンズリーグではメッシと並んでトップの6ゴールです。

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