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6歳で戦争体験。インタビュアー泣かせの
モドリッチが「変身」する時 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 彼はサッカー選手として、ひとつひとつの出会いを大切にしてきた。たとえば、幼い頃に自分を見出してくれた故郷の恩師にはずっと感謝を続け、亡くなった折りには、矢も楯もたまらずに葬儀へ駆けつけている。自分に関わってくれた人たちへの恩を忘れない。そうやって自ら運命を切り拓いてきた真っ直ぐな生き方が、人々に愛されるのだ。

 1998年、フランスW杯で母国クロアチアが3位に躍進したことに、モドリッチ少年は胸を打たれたという。

「なんてすばらしい戦いなんだ。クロアチア人としてとても誇らしい。自分も必ず、この遠いところまで辿り着くんだ!」

 ひたすらそう信じてプレーしてきたという。そしてロシアW杯では、憧れだったクロアチア代表キャプテンのスボミニール・ボバンと同じ舞台に立ち、さらにひとつ前へと駒を進め、フランスとの決勝を戦った。

 サッカー選手としての舞台を自らつかんできたモドリッチに、迷信深いところはない。ただし試合に臨むとき、"変身する"ためのルーティーンはある。必ず左足からスパイクを履くこと、そして18歳のときに父からもらい受けた十字架のネックレスを外すことだ。

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