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ベルギー守護神と指揮官が分析する
日本戦。「交代で状況は逆転した」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki スエイシナオヨシ●写真 photo by Sueishi Naoyoshi

 48分だった。センターサークル付近でボールを受けた柴崎岳に自由を与え、完璧なスルーパスを左サイドで通されてしまう。守備ラインを突破された状況で、ヤン・ベルトンゲンは原口元気を止められず、クルトワはファーサイドを破られている。

 先制された直後、ベルギーは日本の右サイドを崩し、折り返しをアザールが蹴り込み、シュートはポストに直撃する。攻撃で地力を見せたが、守備の混乱は消えない。コンパニを中心にしたバックラインは臆したのか、ズルズルと下がる。そして52分、バックラインの前で香川にボールを持たれ、落としたボールが乾に渡ったとき、誰もシュートブロックにいけていない。悪夢のような失点だった。

「2点差は厳しいが、必ず追いつけると信じていた」と、ベルギーの選手たちは語っているが、彼らの反発力とともに、日本が受け身に回ったことで、戦局は一変した。

 サイドは深くまで侵入できないものの、ルカクがそびえ立って、日本DF陣を消耗させる。そして65分、ベンチがカードを切った。高さのあるマルアヌ・フェライニ、フィジカルスピードのあるナセル・シャドリを投入。クロスやハイボールで先手を取る策に打って出た。

 69分、クロスに対して川島が中途半端なパンチングをすると、こぼれ球をベルトンゲンがヘディングで当て、前に出ていた川島の頭上を越した。2-1。さらに74分だった。フェライニが左からのクロスを長谷部誠に競り勝ち、同点弾を叩き込んだ。

「ベルギーの本気を感じた」

 日本の選手たちはこの瞬間について、そう口を揃えている。ただ、ベルギーが本当の底力を見せたのは最後の最後だった。

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