2018.07.04

地味でもキレあり。「どんくさくない」
イングランドの未来は明るい

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 グループリーグG組を2位で通過(1位ベルギー、2位イングランド、3位チュニジア、4位パナマ)したイングランド。対するコロンビアはH組で日本と初戦を戦い、まさかの敗戦を喫したが、残る2試合に連勝。首位通過を果たした。

 戦前の下馬評では、昇り調子にあるコロンビアのほうが優勢だった。スパルタク・スタジアムを埋めたサポーターの数も、コロンビアのほうが圧倒的多数を占めた。

コロンビアとのPK戦を制し、12年ぶりにベスト8進出を果たしたイングランド ところが、試合は立ち上がりからイングランドペースで推移する。選手個々の動きが速いのだ。3-5-2の布陣から、反転攻勢的な攻撃を、少人数でスピーディに仕掛けた。コロンビアは受けて立ってしまった。

 5バックになりやすい3バックを採用するチームに後手を踏んだ。後ろで守ろうとするサッカーに押し込まれることになったコロンビア。従来通りに戦っていれば、そうならなかったはずである。

 日本戦で採用した布陣は4-2-3-1だった。1トップのラダメル・ファルカオの下にフアン・キンテーロ。右にフアン・クアドラード、左にホセ・イスキエルドが、それぞれサイドアタッカーとして構えた。

 ところがこの日、ファルカオの下の列に構えた選手は2人。キンテーロとクアルダードが、いわば「シャドー」のように構えた。布陣は4-3-2-1。サイドアタッカーが両サイドに各1人しかいない、先に行くほど細くなる典型的なピラミッド型サッカーである。

 イングランドの3-5-2も同様な傾向を示すので、その両軍が交われば、試合のエンタメ性は必然的に低下する。後方に待機しゴール前を固める、いわば守備的なサッカーを両軍が実践したので、戦いに本格的な灯は点(とも)らなかった。ジャブの応酬に終始した。