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地味でもキレあり。「どんくさくない」
イングランドの未来は明るい (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 コロンビアがイングランドにお付き合いした結果、試合はエンタメ性に乏しい退屈な内容になった。

 にもかかわらず、コロンビアは後半12分、先制点を奪われた。日本戦でハンドを犯し、PKを献上したカルロス・サンチェスが、CKの際、ハリー・ケインを後方から抱きかかえるように倒してしまったのだ。

 ケインが仕掛けた罠に、C・サンチェスがはまったという見方のほうが正解だと思うが、アメリカ人のマーク・ガイガー主審は、次の瞬間、PKスポットを指さしていた。コロンビアは本来のコロンビアらしさを消し、勝負に徹する安全第一の作戦に出たにもかかわらず、不運なPKを献上。先制点を奪われた。ホセ・ペケルマン監督の采配は凶と出た。

 後半に入っても、戦いの構図は変わらない。

 気温は20度を切っていた。サッカーをするには最高の環境で、実際、両軍選手の動きは良好だった。それだけに、噛み合わせの悪さが目立った。あちこちで無意味かつ汚い衝突が発生。ガイガー主審の仕切りも的確さを欠いたため、試合の見映えは回復しないまま、終盤を迎えた。

 イングランド、逃げ切り成功か。コロンビアに同点ゴールが生まれたのは、そう思われた後半のアディショナルタイムだった。クアドラードが蹴った右CKを、CBジェリー・ミナが高々としたジャンプから叩き付けるようなヘディングで、イングランドのゴールネットを揺るがせた。

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