C・ロナウド不発もレアル勝利。
W杯では拝めないクラブサッカーの真髄 (3ページ目)
目には目を。ルーカス・バスケスはまさにそんな感じで、後ろで構えず前方に積極的に突いて出た。対面で構えるバイエルンの左ウイングは、ロッベンと並ぶ準バロンドール級選手のフランク・リベリーだ。そしてその背後にはアラバがいる。にもかかわらず、高い位置をキープ。アラバの攻撃参加は、時間の経過とともに控え目になっていった。
レアル・マドリードの右対バイエルンの左。この攻防でレアル・マドリードが負けなかったこと、つまり穴を作らなかったことが、組織が最後まで崩れなかった要因だ。怖がらず前に出たルーカス・バスケスがチームを救ったといっても過言ではない。
準決勝の2試合。クリスティアーノ・ロナウドは不発だった。惜しいシュートは放ったが、活躍したとは言えない。カリム・ベンゼマは2ゴールを決めたが、後半27分ベンチに下がっている。交代で入ったのはガレス・ベイルだった。
ベンゼマ、ベイル、C・ロナウド。BBCは、バルセロナのMSN(リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール)に対抗して命名されたレアル・マドリードの看板だった。2015~16シーズンの決勝は3人そろい踏みしたが、2016~17の決勝は、この日の準決勝第2戦同様、交代でベンゼマとベイルが入れ替わっている。
BBCは必ずしもチームの看板ではなくなっている。この試合のC・ロナウドも、燦然(さんぜん)と輝く存在ではなかった。それでもチームは勝利を収め、3年連続決勝進出を決めた。
バルサでは考えられない話だ。メッシとスアレスに相変わらず依存したサッカーをしている。その他の戦力の安定性こそが最近のレアル・マドリードの強みだろう。CL3連覇に王手を掛けたレアル・マドリードだが、BBC頼みだったころに比べて、いわゆるチーム力は向上しているのだ。
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