C・ロナウド不発もレアル勝利。
W杯では拝めないクラブサッカーの真髄

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 手に汗握るこの展開こそ、W杯にない、まさにCLの真髄だ。一発勝負の決勝戦でも、このスリルは味わえない。

 リバプールとローマには申し訳ないが、このレアル・マドリード対バイエルンは、事実上の決勝戦だった。それをたっぷり180分間、楽しめた。むしろ準決勝でよかったとさえ言いたくなる。

 バイエルンにとって痛かったのは、第1戦の開始早々、故障でアリエン・ロッベンを失ったことだ。ロッベンが右ウイングを張っていれば、対面で構えるマルセロに、第1戦でアウェーゴールを許すこともなければ、第2戦の開始11分に、カリム・ベンゼマのヘディングシュートを生んだクロスによるアシストを許すこともなかっただろう。さらに言えば、試合そのもののレベルも、もう何パーセントか高いモノになっていたはずだ。

 一方、バイエルンの左サイドは第1戦より強力になっていた。フアン・ベルナト、ラフィーニャより、デカくてパンチ力があるダビド・アラバがケガから復帰。左サイドバックとしてスタメンを飾ったからだ。対するレアル・マドリードの右サイドは、弱体化しているように見えた。ダニエル・カルバハルが故障。右サイドバックの位置にはルーカス・バスケスが入っていた。

 ルーカス・バスケスは、第1戦の終盤、カルバハルが退場した後も一列、下がり、右サイドバックのポジションをカバーしていた。急造ではないとはいえ、第2戦も立ち上がりからアラバに背後を突かれるなど、本職ではない悲しさを露呈していた。

 しかし、前半の中頃になると形勢は一変する。この試合のポイントだったように思う。

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