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森岡亮太、新天地のアンデルレヒトでも
1980年代の香り漂うプレー (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 そして、もうひとつ。やはり森岡はアンデルレヒトでも味方のストライカーを輝かせた。

 今季前半戦、メヘレンにレンタルされたガンボウラはノーゴールと結果を残せず、アンデルレヒトに返されてしまった。しかし、森岡の絶妙なクロスを受けて今季初ゴールを決めると調子に乗り、56分には左サイドバックのDFオリヴィエ・デスハフトのクロスを打点の高いヘッドで合わせ、チームを救う2点目のゴールを決めたのだ。

 この試合までに森岡は3回しかチームの全体練習をこなしていないとあって、ガンボウラとの連係はまだまだ改善が必要だ。それでも80分、森岡はガンボウラが前線でつなげたボールによく反応し、そこからペナルティエリア内で相手の反則を誘った。森岡はアンデルレヒトでも、ストライカーとホットラインを作る可能性を示した。

「非常に悔しいです」とコメントしたように、森岡の新天地でのデビューマッチはほろ苦さが残るものとなった。しかし、1970年代から1990年代にかけてベルギーリーグで活躍したエディ・スネルダースは、メヘレン戦の森岡をこう擁護している。

「森岡にはポテンシャルがあるものの、チームに適合する時間を必要としている。(アンデルレヒトは)より多くのプレッシャー、サポーターの批判、そしてプレースタイルの違いがある。今回、森岡はチームの出来が悪かったことの影響を受けた。アンデルレヒトは各ライン(DF、MF、FW)に問題を抱えていたから、彼を非難することはできない」(『ヘット・ラーツテニーウス』紙より抜粋)

 名門チーム特有のプレッシャーに潰れて消えていく者もいるが、これを克服して活躍すれば、多くのスカウトがアンデルレヒトを追っているだけに、確実にビッグリーグへステップアップできる。森岡亮太にもぜひ、このステージをクリアしてほしい。

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