エイバル乾貴士、レアルに完敗も新システムのFWとして新境地を開く (3ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Angel Martinez/Getty Images

 この日はカゼミーロとマッチアップする場面が多かった乾。55分にはエリア内でブラジル代表MFに倒される場面があった。議論を呼ぶプレーだったが、試合後のミックスゾーンで乾は「あれは(PKは)ないっす。まあ、ちょっと当たっていましたけど、別に倒れるほどじゃないんで。でも、もらう方がチームとしていいかなと思ったので、ちょっともらいにいきましたけど」と説明した。

 このプレーについてメンディリバルは「乾に聞いたが『当たっていない』と言っていた。嘘をつかないことは人として本当にいいことだし、サッカー選手の多くは騙すようなことをするのに彼はしない。ただ、少し勝負の術を知らないと......」と、日本人に狡猾さを身につけることを注文している。

 この夜、エイバルはレアル・マドリードの前に力負けした。数字だけが重要だと言うつもりはないが、新ポジションの乾は形に残る結果を残せなかった。ただし、他のチーム相手にも通用しないと判断するのは時期尚早だ。

「いろいろなところに動きながら、相手の嫌なところで受けて前を向くのが自分の特徴だし、小・中・高とやってきたことなので、自分自身も今のフォーメーションならそこで挑戦したいし、中盤の一角でもいいし、新しいところで何か挑戦したいという気持ちがあります」

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