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ELで惜敗の瀬戸貴幸。月収2万円を経て、
ルーマニアから日本代表への挑戦 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Reuters/AFLO

 2年後には1部に昇格し、中東から年俸2億円のオファーが届いたこともあったというが、「僕にとってサッカーはお金ではない」と、欧州でサッカーをすることを選択している。日々奮闘してアストラでほぼ10年プレーし、現在はクラブの最古参選手となっている。欧州でプレーする日本人選手としてはアウトローかもしれないが、十分に結果をともなっているところが特別だ。

「僕にはサッカーしかないので」とはにかみながら、瀬戸は今後も欧州での生き残りを懸けて戦う。31歳になる瀬戸が見据える目標はふたつだ。ひとつは日本代表入り。もうひとつは欧州の舞台、できればCLを戦うことだ。

 日本代表に関していえば、国内での実績はないが、欧州でそれなりの結果を出していることは少しずつ日本でも知られてきている。ハリルジャパンになってからは、代表側からコンタクトがあった時期もあるという。ハリルホジッチが瀬戸の存在を視野に入れていることは事実だろう。コンスタントに結果さえ残せば、召集されるチャンスは十分にあるはずだ。

 また、瀬戸がクラブ選びの基準にしているのは「欧州の1部リーグで戦うこと」なのだという。例えばドイツの2部ではなく、ルーマニアのような小さなリーグであっても1部でプレーしたいということだ。

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