ELで惜敗の瀬戸貴幸。月収2万円を経て、
ルーマニアから日本代表への挑戦

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Reuters/AFLO

 ヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦が終了した。MF瀬戸貴幸が所属するアストラ・ジュルジュ(ルーマニア)は、ゲンク(ベルギー)に2戦合計2-3で敗れ、ベスト32で姿を消すことになった。

ヨーロッパリーグ、ゲンク戦に出場した瀬戸貴幸ヨーロッパリーグ、ゲンク戦に出場した瀬戸貴幸 ホームの第1戦では瀬戸のゴールで2-2の引き分けに持ち込んだ。だがそれ以前の失点に絡んでしまい、「得点よりも失点が悔しい」と喜べなかった。

 勝たなくてはならないアウェーでの第2戦は、ポゼッションする相手の術中にはまり、カウンターも効果的に決まらなかった。ベルギーやオランダを直撃した嵐の影響もあり、大雨と強風に悩まされる難しい試合でもあった。「うちのようなクラブは少ないチャンスを決めないと......」と、挑戦者としての戦い方を自覚しながら結果を出せなかったことを悔やんだ。

 EL32強と言われても、それがどれほどのことなのかピンとこない人のほうが多いかもしれない。

 48チームでスタートした1次リーグだが、今季、このうち日本人所属クラブは7クラブあった。長友佑都のインテル、吉田麻也のサウサンプトン、久保裕也のヤングボーイズ、南野拓実のザルツブルク、武藤嘉紀のマインツ、内田篤人のシャルケ、そしてアストラだ。原口元気のヘルタ・ベルリンと田中亜土夢のヘルシンキは予選3回戦で敗れている。

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