Jリーグ公式も認めたゴールパフォーマー、J3栃木シティ・田中パウロ淳一が「発信」にこだわる理由
田中パウロ淳一インタビュー(2)
田中パウロ淳一が2025シーズン、栃木シティで一躍注目された要因のひとつに「バズるゴールパフォーマンス」がある。なかでもSNSを中心に爆発的に拡散されたのが、"西山ダディダディ"と"エッホエッホ"だ。
今季初ゴールを決めた第5節のデゲバジャーロ宮崎戦で、リズムネタによりTikTokを中心にバズっているクリエイター・西山ダディダディの独特なステップや両腕を大きく使った話題のコール芸を披露。第8節の福島ユナイテッド戦では、オランダ人の写真家がSNSに挙げた草の上を走るメンフクロウのヒナの写真から世界的に有名なインターネットミームへと発展した"エッホエッホ"のパフォーマンスを繰り出すと、それらがJリーグ公式YouTubeチャンネルでも取り上げられ、SNSで大きな話題となった。
パフォーマンスがJリーグ公式YouTubeチャンネルでも取り上げられた田中パウロ淳一photo by Kishimoto Tsutomu「正直、バズるとは思ってなかったです。J3だし、まさかJリーグのオフィシャル(公式You Tube)が取り上げるなんて思わないじゃないですか(笑)。なぜ、あのゴールパフォーマンスになったかといえば、毎試合SNSで得た収益を使って子どもたちをホームゲームに招待しているのですが、その子どもたちのリクエスト。『どんなゴールパフォーマンスをやったらいいか』と聞いて、候補に挙がったなかから僕が選んだだけ。たまたまです」
動画がバズったのは、ゴールが見事だったうえに、パフォーマンスもキレキレだったからだろう。
「自宅の鏡の前で、めっちゃ練習しました。やる以上は誰が見てもわかるようにしないと意味がないですからね。ここまでゴールを決められるとは思っていなかったですし、最近は試合前に中継スタッフから『どんなパフォーマンスをやるのか教えてほしい』と聞かれることもあります。TikTokで流行っていても実況担当者が把握していないこともありますし、実況の方も、知らないとマズい空気があるみたいですね(苦笑)」
バズったのは偶然だと田中パウロは言う。だが、よくよく話を聞けばSNSのトレンドを自ら研究し、子どもたちが真似したくなる動き、映像映えする動きを巧みに取り入れているというから、決して偶然ではないだろう。
田中パウロはなぜそこまで発信にこだわるのか。
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著者プロフィール
栗原正夫 (くりはら・まさお)
1974年6月11日生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、放送、ITメディアでスポーツにかかわり、2006年からフリーランスに。サッカーを中心に国内外のスポーツを取材し、週刊誌やスポーツ誌に寄稿。ワールドカップは1998年、夏季五輪は2004年からすべて現地観戦、取材。メジャーよりマイノリティ、メインストリームよりアンダーグラウンド、表より裏が好み。サッカー・ユーロ、ラグビーワールドカップ、テニス4大大会、NBAファイナル、世界陸上などの取材も多数。

