Jリーグ公式も認めたゴールパフォーマー、J3栃木シティ・田中パウロ淳一が「発信」にこだわる理由 (3ページ目)
【「これでプレーがマズかったら叩かれる」】
昔から目立つのは好きだった。若い頃はほかの多くの選手と同様に日本代表入りや海外移籍を目指し、サッカー選手として際立つことを考えていた。だが、それが難しくなったことで路線を変え、SNSなどを駆使して栃木シティの人気者となった。
ただ、おふざけでやっているわけではない。山口時代には、ゴールを決めて自軍ベンチ前でスマホで自撮りするパフォーマンスを行なおうとして注意されたこともあった。深く反省はしたが、そうした行動はリーグやチームを盛り上げたい気持ちからだったという。
「あのときはめっちゃ、怒られました(笑)。海外だとバロテッリとかトッティ(いずれも元イタリア代表)がやっていたじゃないですか。その流れで試みましたが、Jリーグではダメだったみたいで。別に悪いことをしたいわけじゃなく、僕はただ盛り上げたかっただけなんです。目立ちたい気持ちもありましたが、たまには僕みたいな変わったことをする選手がいたっていいじゃないですか」
金色のグラデーションを入れたドレッドヘアもインパクトは大きく、田中パウロの認知度を広めるきっかけになった。
「目立つ髪型もSNSでの発信と同じく、"注目されるきっかけ"のひとつになればと考えていました。ずっとドレッドにしたかったのですが、これまではどのチームでも許されてなかったので、ようやくできたというか。髪は金色のところはエクステです。でも、もう暑くてヤバい。夏は乗りきれそうにないですね(苦笑)。
ただ目立つのはいいですが、SNSと一緒で、これでプレーがマズかったら叩かれる。だから、ほかの選手にはオススメしないですね」
ときには「サッカーに集中しろ」などと心ない声を向けられることも少なくないという。
「いまだに、いますよ。だから、僕はほかの選手を巻き込まないように注意してますし、クラブにも信頼して自由にやらせてもらっていることに感謝しています。発信は大事ですが、いまの時代はリスクもある。クラブによっては個人の発信を嫌い、場合によってはそれが選手としてのキャリアに影響してしまうこともありますからね」
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