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バイエルン、アーセナルに大勝。
後半、アンチェロッティが魔法をかける (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko Photo by Getty Images

「ヘンなゲームだった。前半はよかったのに、後半に入って、53分、56分の失点で組織とメンタルが崩壊してしまった。最後の25分間はまるで悪夢だった」

 アウェーゴールを奪ってはいるものの、アーセナルがセカンドレグで逆転する可能性は極めて低いと言わざるをえない。バイエルンが1点を奪った瞬間に、試合は終わってしまうだろう。

 アンチェロッティの人柄とマネジメント力を感じたのは、この日、86分から途中出場し、88分に得点したトーマス・ミュラーへのコメントだ。

「ミュラーについてはとてもハッピーだ。彼はここ数週間たくさん練習しており、得点は当然だ。彼は我々の勝利にとってもとても重要な選手だ」

 ミュラーはドイツでも1、2を争う人気選手。レバンドフスキがいくらゴールを決めようと、ドイツ人はドイツ人であるミュラーに期待し、応援する。そんな彼を、バイエルンはこの日、ベンチスタートさせた。ミュラーは12月10日以来、得点がなく苦しんでいたため、致し方のない采配だった。

 そんなミュラーを試合の大勢が決してから起用し、復調への期待をあえて言葉にして喜ぶあたり、人心掌握術に長けていることは間違いない。

 大勝の好スタートにより、バイエルンのCL優勝への期待は高まるばかりだ。

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