バイエルンを追う新鋭ライプツィヒが、
ドイツのファンに嫌われるわけ (2ページ目)
ライプツィヒがドイツ最高峰の舞台でも輝き続けられる最大の要因は、やはり今夏に就任したラルフ・ハーゼンヒュットル監督の存在だろう。
プロクラブでの監督キャリアが10年目になるオーストリア人指揮官は、これまで在籍したウンターハヒング、アーレン、インゴルシュタットの全クラブで、シーズン途中にその座に就いた。彼は降格回避の救世主であっただけでなく、在任中にアーレンを3部から2部へ、そしてインゴルシュタットを2部から1部へ昇格させるなど、その手腕は本物だ。ライプツィヒはここまで、途中出場の選手による得点が計7でリーグ最多。ハーゼンヒュットル監督の采配がズバリ的中している。
さらに、ライプツィヒ所属選手の平均年齢は23.9歳と、18クラブで最も若いのだが、メンバーの1人であるディヴィ・ゼルケは、チームの様子をこう話している。
「もちろんすべての選手が試合に出場したいと思っている。でも(試合に出られなくても)妬みを持つような選手は、ここにはいない」
ゼルケは2015年夏、ブレーメンから当時2部だったライプツィヒに加入し、昨シーズンは主力としてプレーしていた。しかし、U‐23ドイツ代表の一員としてリオデジャネイロ五輪に参加していた影響もあり、今季はベンチを温める時間も少なくない。まだ20歳そこそこの血気盛んで実績も十分なゼルケを説き伏せ、チームスピリットとプロフェッショナリズムを選手全員に植え付けるハーゼンヒュットル監督の人心掌握術は、「巧み」以外の何物でもないだろう。
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