C・ロナウドを欠いて栄冠。頼りなさげなポルトガル指揮官の見事な采配 (4ページ目)
ポルトガルは前評判で7番手。ベスト8からベスト4をうかがうチームと評価されていた。つまり、5~6試合を戦うであろうと。そこで最大の力を発揮するチームでありたいとF・サントス監督は考えた。終盤にきて強いチーム、息切れしないチームでありたいと。
このやり方は、前半で苦戦するリスクが増大することになる。だがそれを怠り、目先の勝利を欲しがるガチガチの采配をすれば、少なくとも優勝の可能性は低くなる。
フランスのディディエ・デシャン監督の采配の方が、そうした意味では余裕を感じなかった。使ったフィールドプレーヤーはポルトガルより3人少ない17人。 レギュラーとサブがほぼ決まっていて、入れ替えも少なかった。また、それにまつわる布陣の変更もなかった。奥行きのない采配。最後にきて息切れしそうな采 配。6試合はなんとか持っても、7試合目は苦しそうな采配に見えた。
後半21分にF・サントス監督が行なった2人目の交代、アドリアン・シルバOUT、ジョアン・モウチーニョINも上々だった。ポルトガルに元気をもたらす交代だった。
そして3人目の交代が行なわれたのは後半34分。
ベンチに下がるレナト・サンチェスを、F・サントス監督は笑顔で迎えた。よくやったよくやったとばかり、弱冠18歳の頭をなでながら労をねぎらった。交代で入ったのは、フランスのリールでプレーするエデル。ポルトガルFW陣の中では最も影の薄い存在だ。
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