C・ロナウドを欠いて栄冠。頼りなさげなポルトガル指揮官の見事な采配 (5ページ目)
しかし、F・サントス監督は彼を、グループリーグ2試合でしっかり使っていた。出場時間は少なかったが、こちらには気になる選手として映ってい た。3人目の交代選手として、ピッチに登場してきた瞬間、この身長188センチの大型CFが、ジョーカーの役を果たすとまでは思わなかったが、ピンと閃 (ひらめ)くものがあったことは確かだった。期待の持てない選手には見えなかった。
延長後半4分、ポルトガルは左サイドで、ジョアン・マ リオが落とし、モウチーニョが頑張ってそのボールをエデルに運んだ。エデルはDFをかわしてミドルシュート。100%の当たりではなかったが、逆にそれが フランス代表GK、ウーゴ・ロリスのタイミングを外すのに十分な効能があった。
1−0。C・ロナウドが前半25分、怪我で退場しても、ポ ルトガルは勝った。しっかり持ちこたえ、アウェーで初優勝を飾った。ともするとC・ロナウドのワンマンチームに見えるが、実はその逆。彼のいなくなったポ ルトガルは、とても真面目なチームに見えた。ひたむきに頑張るウェールズ、アイスランド系の匂いさえした。バリバリのラテン系であるにもかかわらず。
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