想定される「4通りのEURO決勝戦」。対戦データで優勝国が見えた (5ページ目)
◆ケース(4)ウェールズvsフランス
【ウェールズvsフランス/対戦成績】
国際親善試合(1933年)ウェールズ△1-1△フランス
国際親善試合(1939年)ウェールズ●1-2○フランス
国際親善試合(1953年)ウェールズ●1-6○フランス
国際親善試合(1982年)ウェールズ○1-0●フランス
想定される決勝カードの中で最も因縁が薄いのが、ウェールズvsフランス。過去の対戦はわずか4試合で、公式戦での対戦はなし。4試合のうち2試合は第2次世界大戦前で、最後に戦ったのは、34年前の親善試合だった。ちなみに、そのときはアウェーのウェールズが、ミッシェル・プラティニら多くのスター選手を擁するフランスに勝利。番狂わせを演じた。
過去の対戦成績からすると優劣はつけ難いが、もし決勝戦でこの2チームが激突したら、フランス有利と言えるだろう。なぜなら、前述したとおり、フランスは自国開催の国際大会を3連覇中。そのうえ、国際大会の決勝戦においては、6戦5勝という実績を誇るからだ。
【フランスの国際大会決勝戦戦績】
EURO1984 ○2-0スペイン
1998年W杯 ○3-0ブラジル
EURO2000 ○2-1イタリア
2001年コ杯 ○1-0日本
2003年コ杯 ○1-0カメルーン
2006年W杯 ●1(3PK5)1イタリア
※コ杯=コンフェデレーションズカップ
◆ ◆ ◆
以上、4つの想定される決勝カードを分析してみると、やはり主要国際大会での優勝実績を持つドイツとフランスが優勢。現地7月7日に行なわれる準決勝、ドイツvsフランスが「事実上の決勝戦」と言えるかもしれない。
とはいえ、過去のEUROでは何度となく、思わぬチームが頂点に立ってきた。ポルトガルが90分間で一度も勝利を挙げることなく栄冠を手にしてもおかしくないし、グループリーグ制が導入されて以降、ウェールズが史上初の初出場初優勝を果たしても不思議ではない。
残り3戦、どんな結末になろうとも、世界トップレベルの戦いが繰り広げられることは間違いない。その素晴らしい戦いを存分に堪能したい。
5 / 5