ブラジル敗退でメッシのヒゲは伸びる一方。大波乱のコパ・アメリカ (4ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by AP/AFLO

 ブラジルは1位通過を目指し果敢に攻めるも、ペルーは人数をかける守備でしのぐ。そして75分、ペルーのラウル・ルイディアスが右からのクロスに合わせてネットを揺さぶる。ブラジルの守備陣はすぐにハンドをアピールするが、審判団は長い協議の末にゴールを認めた。しかし、これは明らかなハンドだった。

 ブラジルをグループリーグ敗退に追いやるという歴史的勝利の立役者となったルイディアスは、「何を騒いでいたんだかわからない。ボールは太ももに当たったんだ」と言い張るが、ビデオで観ると、腕に当たったボールを大腿部で押し込んでいる。だが現在のルールでは、審判員は確認できない反則を取ることはできない。灰色はシロなのだ。ルイディアスはさらに、「トーナメントに勝ち上がれてすごく嬉しい。試合中、ずっと狙っていたことが結果に表れた」と喜びを爆発させた。

 ドゥンガ監督は当然のごとく怒り心頭。「いくつものカメラやテクノロジーがあるのに、なぜこんなミスが起きるのか。我々はサッカー以外の要因で敗れた。まともじゃない。こんな明らかなハンドでブラジルが負けたことは今までにない」と恨み節を続けた。しかし高まる自身への批判については、「怖いのは死ぬことだけだ」と一蹴した。

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