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果敢な守備アトレティコvs分厚い攻撃バイエルン。CL準決勝は最高の内容 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 しかし、アトレティコはただただ引いて守りを固めたわけではない。ボールポゼッションを高めて攻撃を組み立てたいバイエルンに対し、高い位置から積極的にプレスを仕掛けて、バイエルンの攻撃を寸断した。

 例えば、こんな具合だ。

 ボールをキャッチしたバイエルンのGKマヌエル・ノイヤーが近くにいる味方にボールを渡そうとする。だが、探してもなかなかフリーの選手が見つからない。ようやくDFハビ・マルティネスにパスを出すも、その時点でアトレティコのプレスにより、バイエルンはほぼ"詰んでいる"のだ。

 ハビ・マルティネスからパスをもらおうと、中盤の選手が下がってきても、そこに対してもアトレティコの選手がきっちりと寄せているため、ショートパスの出しどころがない。ハビ・マルティネスはやむなくFWレバンドフスキーに向かって長いボールを蹴るのだが、アトレティコDFに簡単にはじき返される結果となった。

 この日、出色だったのは、こうしたアトレティコの前向きのディフェンスだ。自陣の後ろで待ち構えるのではなく、あくまでも相手ボールに向かって前方向にパワーを使った守備が目立った。その結果、高い位置でのパスカットが増え、効果的なカウンターにつなげた。ともすれば、試合は2-0、3-0になっていてもおかしくはなかった。

 だが、こうした圧力に屈し、バイエルンが単調な横パスばかりを増やして効果的な攻撃ができなかったのかと言えば、そうではない。そこにこそ、この試合の妙味があった。

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