「ドイツとは全然違う」。乾貴士が痛感したスペインサッカーの難しさ
乾貴士インタビュー part.2
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今シーズン、リーガ・エスパニョーラ1部のエイバルでプレーする乾貴士。ドイツ、ブンデスリーガのフランクフルトから移籍した乾にとって、スペインは以前から憧れの地だった。
エイバルでの生活にも慣れ、今季ここまで3ゴールの乾貴士「絶対にスペインでやりたい」という思いが芽生えたきっかけは、「(テレビで)バルサとかレアルの試合を見ていて、サッカーって面白いなって思った」こと。ひとりのサッカーファンとしての純粋な気持ちからだった。そのころ、セレッソ大阪でチームメイトだった香川真司がドルトムントに移籍。その翌年、乾にもブンデスリーガに行くチャンスが訪れた。ボーフム移籍の話があった時、一も二もなく飛びついた。その視線の先は、スペインリーグを捉えていた。
そして、日本を出てから4年が経過して、ようやく憧れのスペインにやってきたのだ。ただ、最初の1カ月間、乾はリーガのピッチを踏むことができずにいた。その理由のひとつは、3年間ドイツでやって身につけたサッカーが、ここではあまり役に立たないという現実に直面したからだった。
「サッカー自体が全然、違いました。監督も、少し戸惑っている僕を使いづらい部分があったんでしょう」と乾は振り返る。日本では、「欧州組」とひと言で片づけられてしまうが、ドイツとスペインでは「もう全然、違う」と乾は語気を強め、適応するのには「苦労しました」と正直に漏らす。
「守備の仕方も全然違います。スペインはチーム全体でやっている。ドイツは1対1で負けるなという感じですが、こっちはもっと組織的にやっている。そのへんは対応に苦労しました」
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