「お金はゼロでもいいくらい」。乾貴士がスペインでプレーできる喜びを語る
乾貴士インタビュー part.1
今シーズンからエイバルでプレーする乾貴士 2015年8月27日、ブンデスリーガのフランクフルトでプレーしていた日本人選手、乾貴士がスペイン、リーガ・エスパニョーラのエイバルにやってきた。
乾のおかげで、ようやく名前が日本にも知られることになったエイバルは、昨年創立75周年を祝った伝統あるクラブだが、そのクラブ史のほとんどを2部と3部で過ごしてきた。クラブ史上、初めて1部に昇格したのは、2013年。だが、その翌年には18位に終わり、再び2部降格の憂き目にあう。
伝統的な2部チームにはよくあるパターンで、一度昇格を手にしても、資金もチームもシーズンの最後には息切れしてしまうのだ。ところがこの年、1部クラブのエルチェの経営問題が明るみに出て、エルチェには2部降格処分が下された。そこで、18位だったエイバルが「繰り上げ当選」的に1部残留を許されることになった。そんな状況下で、乾はエイバルにやって来たのだ。
1時間も車を走らせれば、フランス国境を突き抜けるというロケーション。人口3万人弱という規模の町で、当然市内には空港もなく、たとえばマドリードで試合をする時は、約400キロの距離をバスで移動する。エイバルはまた、坂の町であり、町のいたるところにエスカレーターが設置されているほどだ。この市内から、さらに30分車を走らせたところに、8万ユーロ(約1000万円)を投じて昨年12月15日にオープンしたアチャバルペの練習場がある。
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