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C・ロナウド3発でレアル逆転勝利。見えた「個人の力」の魅力と限界 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 集団性の高さを感じないチームだ。バルセロナ、バイエルン、アトレティコなどとは違う。例えばバルサの場合、リオネル・メッシがハットトリックを決めても、周囲の選手がそこに上手く絡んでいる。チームで奪ったゴールとの印象を抱ける。その単独性がせいぜい50%ぐらいなのに対し、R・マドリードのC・ロナウドは60〜70%。この日の2ゴールは、ほぼ100%を占めた。

 バルサは、メッシだけではない。ルイス・スアレス、ネイマールも負けていない。3人のFWすべてのキャラが、ほぼ均等に立っている。さらに言えば、3人が協力し合う仲の良い関係にも見える。お互いがお互いをカバーする姿は美しい。その魅力がR・マドリードには欠けている。

 C・ロナウド、カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル。この3FWが、バラバラな関係に見えるのだ。単独行動が多く目立つ。そもそも誰が右で、誰が左なのか、ポジションがよく分からない。したがって、攻撃に定石がない。お約束がない。個人技頼みになっている。

 相手が計算しにくいこの即興的なプレーが効果を発揮するのは遅攻よりも速攻、カウンターだ。奪った勢いを生かして一気に走るプレーに、細かなコンビネーションは不要。問われるのは個人能力だ。実際、これまでにR・マドリードは速攻で数々のゴールを奪ってきた。その点でバルサの上を行く。

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