「憧れのゴンさんのように」。30歳になっても岡崎慎司はうまくなる

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 いよいよ、優勝へのカウントダウンが始まった――。

 4月10日に行なわれたサンダーランド戦に2-0で勝利し、レスター・シティが残り5試合で3勝すると、プレミアリーグ優勝が決定。世界中の話題を席巻している「ミラクル・レスター」の物語は、ついに最終章へと突入した。

相手DFから果敢にボール奪取を狙う岡崎慎司相手DFから果敢にボール奪取を狙う岡崎慎司 だが、試合では降格圏に沈むサンダーランドを相手に苦戦し、インテンシティの高い本来のサッカーができずにいた。そんな苦しい状況を救ったのはFWのジェイミー・バーディー。それまで好機を生かせずにいたが、高速カウンターからワンチャンスをモノにして先制点を奪取(66分)。試合終了間際にも追加点を挙げた(後半ロスタイム)。

「圧倒的に、ひとりで何かできてしまう選手。思いっきりのよさと、怖いものが何もないのが、アイツの一番のストロングポイント」と、2トップでコンビを組むバーディーについて岡崎慎司が語っていたように、「トップスピードに乗ってもブレない技術」と「自慢の速さ」を生かし、チームを勝利に導いた。

 そして、13試合連続で先発した岡崎も、攻守両面で効果的な動きを見せた。なかでも、際立っていたのが「ハードワーク」。岡崎がピッチを常に上下動することで、レスターは攻守のバランスがとれていた。

 攻撃時には、DFラインの背後に抜けるフリーランでゴールを狙った。2分、25分、44分と、ウラに仕掛ける積極的な走りで味方のスルーパスを誘発。ボールに触る寸前でクリアされたり、シュートが枠に飛ばなかったりしたが、岡崎の動き出しに合わせて味方からピンポイントでパスが入った。いずれも得点に結びつかなかったが、英紙『デーリー・ミラー』は「信じられない運動量。常に相手の脅威だった」と、日本代表FWのトライを評価した。

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