「憧れのゴンさんのように」。30歳になっても岡崎慎司はうまくなる (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 もうひとつ、大きなポイントが「賢さ」だ。岡崎は以前、「ハードワークはやろうと思えば誰でもできる」と語っていたが、決してそんなことはない。日本代表FWの走りがクレバーで、判断に誤りがないからこそ、レスターでも大きな武器になっている。

 その岡崎は、今月16日に30歳の誕生日を迎える。サッカー選手で言うと「ベテラン」と呼ばれる領域に入るが、口をついて出るのは、「貪欲に」「がむしゃらに」といった攻撃的な姿勢で、決して立ち止まろうとしない。実際、今後のキャリアについて、こんなふうに漏らしたことがあった。

「まだまだ29歳。考えようによっては、『落ちてくるだろう』と思われる年齢なんですけど、俺はまだ伸びると思っている。『憧れのゴンさん(中山雅史)は33歳から成長した』とみんな言っている。考えれば出し抜ける、フィジカルをも凌駕する方法が何かあると思う」

「サッカーに貪欲になろうかな、と思った。それこそ、去年だったら代表に行くと、『年齢も上だし、伝えることもいっぱいある』みたいなコメントをしていたんです。だけど、30歳になっても貪欲にやってみて、その姿を見ている選手が何かを感じてくれるほうが全然かっこいいと思う」

 岡崎への取材でいつも強く感心するのは、「飽くなき向上心」である。課題が浮き彫りになれば、解決策を見出して努力する。反対に、物事がうまく進んでいても、現状に満足せずハードルを課していく。ひとつひとつ壁を乗り越えていくことで、選手としてひと回りもふた回りも成長してきた。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る