スペインデビューの元レイソル鈴木大輔。「ここで魂を磨いておく」 (6ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Juan Carlos Mancelas

<準備をしていれば、必ずチャンスは巡ってくる>

 そう腹を括(くく)った若者は、右サイドバックが出場停止になった試合で存分に仕事を果たした。チームは0-4の快勝。堅実で気の利いたディフェンスは、地元メディアからも高く評価されることになった。

 そして次節3月26日のヌマンシア戦、本拠地ノウ・エスタディでも鈴木は再び右SBとして先発フル出場を遂げている。巡ってきた好機は決して逃さない。彼はそうやって、プロの世界をしのいできた。

 ヒムナスティックはカメルーン代表MFアシル・エマナの得点により、1-0でヌマンシアを退け、暫定で2位に上がった(1、2位が自動昇格、3~6位がプレーオフ)。無論、安心はできない。2~9位が勝ち点差6でひしめき合い、6月5日の最終節、あるいはその後のプレーオフまで戦いは続く。

「ヒリヒリした感覚を味わいたい!」

 勇ましい冒険者にとって、それは望むところの勝負である。

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