2016.03.27

スペインデビューの元レイソル鈴木大輔。「ここで魂を磨いておく」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Juan Carlos Mancelas

鈴木大輔のスペイン挑戦(後編)

ビルバオ・アスレティック戦で公式戦デビューを果たした鈴木大輔(ヒムナスティック・タラゴナ)前編を読む>>

 3月13日、ヒムナスティック・タラゴナ(通称ナスティック)は本拠地ノウ・エスタディでポンフェラディーナと1部昇格をかけた試合を戦った。8試合負けなしとはいえ、そのうち5試合は引き分けで、勝利がほしい試合と言えた。

 前半2分にセンターバックがクロスをクリアしきれず、オウンゴールで失点。相手に守る余裕を与えたことで、それからの戦いを難しくした。後半にチームトップスコアラーのナランホの得点で同点。終盤は4-2-3-1から3-4-3にして幾度も好機を作ったものの、引き分けで終わった。

「勝ち方を知らない。勝ち点1を奪ったというよりも、2を失った」と、地元メディアは酷評した。9戦負けなしも6度目の引き分けで、ナスティックは7位に転落。3~6位が昇格プレーオフを戦うだけに、安穏としていられない状況になった。

 鈴木大輔(25歳)はレストランでメニューを眺めながら、店の雰囲気を目の端に捉える。席に来たウェイトレスにメインディッシュを聞かれ、「pollo」とスペイン語で頼んだ。鶏の胸肉をハーブで炒めた料理で、いくつか選択肢があったが迷いがなかった。続けて飲み物を聞かれると、彼は明瞭な発音で「agua con gas」と注文した。