エイバル乾貴士に立ちはだかる壁。バルサに「何もできず」大敗 (2ページ目)
「タカシのプレーで一番目を引くのは、コントロールの素晴らしさ。彼はターンするときもスピードを落とさずに持ち運べる。それによって相手を置き去りにできる。まるでメッシみたいにね」
バルサの下部組織で育ち、サイドアタッカーのライバルでもあるサウール・ベルホンが、手放しで称賛するほどだった。
ところが、ラス・パルマス戦の乾は豪雨の中で持ち味が出せずに終わる。続くセビージャ戦は出場時間が与えられていない。そしてバルサ戦。エイバルは0-4と成すすべもなく敗れ、乾自身はアディショナルタイムを含めてわずか数分の出場に終わった。
一つのハードルを越えた乾は、二つ目のハードルと対峙していた。
「バスクのチームに入ったことは、乾にとってアドバンテージになっている。バスク人は秩序や規律を重んじる。その点、日本人に合っているのだろう。例えば同じスペインでも、アンダルシア人はひらめきで物事を解決しようとするから」
そう語るのは、バスク代表監督で90年代にはエイバルを監督として率いたミケル・エチャリである。
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