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岡崎慎司と吉田麻也。「フル出場が叶わない」ふたりの境遇 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 岡崎としては、今のプレースタイルを貫きつつ、「仕掛けの部分をプラスアルファで加えていく」(本人)ことで現状を打破しようとはしている。実際、サウサンプトン戦でも、中盤でシンプルにパスを叩いてシュートエリアまで突っ走り、前を向いた状態でボールをもらおうと、トライはしていた。

 形になりそうだったのが、43分の場面。中盤でパスを受けると、バーディーにボールを預けて彼と並走。ラストパスが入れば決定機になったが、目下リーグ得点王のバーディーは迷わずドリブル突破を試みた。ほかの場面でも、周囲の選手が岡崎の動き出しを察知できないシーンが目につき、連係面の課題が改めて浮き彫りになった。

 もちろん、日本代表として途中出場したイラン戦から中3日の強行出場で、動きがやや重かったこともある。しかし、アルジェリア代表MFのリヤド・マフレズも、チームに再合流できたのは試合前日。それでも、サウサンプトン戦で1アシストを記録した。ガーナ代表のMFジェフリー・シュルップも練習を1日こなしただけで出場しているだけに、代表チームとの両立に苦労しているのは岡崎だけではない。

 献身的な守備で存在価値を高めることに成功した一方で、ゴールやアシストなど目に見える結果がついてこないことから、なかなか絶対的な地位を確立できない──。こうしたジレンマを解消する手立てのひとつは、「連係のさらなる向上」にあると思うが、はたして岡崎はこの壁をどう乗り越えていくか。

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