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岡崎慎司と吉田麻也。「フル出場が叶わない」ふたりの境遇 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 CFのジェイミー・バーディーと前線で走るも、中盤以下の選手がプレッシングでついて来ず、チームのエンジンは一向にかからない。そうこうしているうちに、セットプレーから2失点を許し、自分たちの首を絞めてしまう......。そこで、クラウディオ・ラニエリ監督は、試合の流れを変えようと岡崎に交代を命じた。

 振り返れば、第5節のアストンビラ戦と第7節のアーセナル戦も、日本代表FWは相手にリードを許した状況から45分間だけで出番を終えている。アストンビラ戦後には、「インパクトに欠けるから交代させられるのは、欧州でいつも味わっていること」「『(交代が)俺かよ』という気持ちもあった」と悔しそうな表情を浮かべ、アーセナル戦後も、「監督から『仕方のない交代』と言われたけど、裏を返せば、残しておく選手ではないと今は思われている」と虚無感を口にしている。

 そして、サウサンプトン戦も前半だけで交代。守備で貢献しながらゴールを目指しているだけに、やはり90分間で勝負したいのが本音であろう。

 戦術的な面から言えば、運動量豊富な岡崎の貢献があるからこそ、チームは攻守のバランスを適切に保つことができている。だが、失点を重ね、なりふり構わずゴールを追い求める展開になると、真っ先に交代カードに選ばれてしまうのも、また岡崎である。そこが、現時点における日本代表FWの抱えるジレンマと言えよう。

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