なんと50人もの日本人選手が在籍しているタイリーグの「実態」 (4ページ目)
「最近は、下部組織となるアカデミーを保有するクラブも増えて、育成の質も徐々に上がってきています。育成年代では、Jクラブの下部組織のチームにも勝つことがあるんですよ。タイ人の気質からして、長期的な目標を立てて計画を進めていくことには難しさを感じますが、もし各クラブ、そしてリーグが、今後も継続性を持って取り組むことができれば、タイサッカーは日本を脅かすようなポテンシャルを秘めていると思います」(小倉氏)
ただ一方で、今季も50人ほどが所属している日本人プレーヤーは、かなり厳しい立場にあるという。Jリーガーという肩書きを持つ選手でも、トライアル(入団テスト)さえ通過できないケースも珍しくない。
「外国人枠にはアジア枠もあるんですが、そこに求められる選手レベルも相当上がっています。代表選手か、そのクラスか、というところまできています。(タイリーグには)確かに多くの日本人選手が所属していますが、今では(プレミアリーグの)トップ3のクラブに日本人選手はいません。そういう意味では、非常に危機感を持っています」
そう語るのは、今季再びタイリーグに復帰し、1部のアーミー・ユナイテッドFCで活躍するMF平野甲斐(※)。2013年シーズンには、ブリーラムの四冠獲得に大きく貢献し、その活躍もあって、昨季はJ1のセレッソ大阪でプレーした。タイリーグで最も実績を残した選手だが、そんな彼でさえ、今では安泰とは言えないそうだ。
※1987年8月16日生まれ。島根県出身。びわこ成蹊スポーツ大学→カターレ富山(J2)→ブリーラム(タイ)→セレッソ大阪(J1)→アーミー・U(タイ)
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