なんと50人もの日本人選手が在籍しているタイリーグの「実態」 (2ページ目)
「あくまでも私見ですが、タイリーグの盛況は、2007年、タクシン・チナワット元首相によるイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティー買収が、大きなきっかけになったと思います。もともとタイはサッカー熱の高い国でしたが、以前はその関心が自国のリーグではなく、イングランド・プレミアリーグに向いていました。タクシン氏の買収もその影響だと思うのですが、ただそれによって、『自分もクラブオーナーになりたい』という富裕層が次々に現れました。そして、そういう方々が国内クラブのオーナーとなり、資金を投入するようになったんです。また、2012年にはBECテロ・サーサナ(プレミアリーグ)のテクニカルディレクターに、元イングランド代表監督のスヴェン・ゴラン・エリクソン氏が就任。それほどのビッグネームが来たことで、国内リーグへの関心がさらに高まっていったと思います」
こうして、各クラブの資本が増し、急速に発展したタイリーグ。まずは、もともと交流の深い日本、つまりJリーガーに目をつけて、各クラブが積極的に獲得に動いた。補足を加えると、タイで選手として活躍し、監督としても手腕を振るった丸山良明氏(現セレッソ大阪U-18コーチ)や、タイで現役生活を終えた元ガンバ大阪の木場昌雄氏(サッカー解説者)らが、タイのクラブとJクラブとのパイプ役となって、両者の関係が強化されていた背景もある(2012年にはタイリーグとJリーグがパートナーシップ協定を結んでいる)。そして、その条件のよさもあって、近年では日本の元代表クラスの選手までタイに渡ったわけだ。
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