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今や巨大なコミュニティー。サッカーをテレビ観戦する人々 (2ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 調査会社のニールセンによる2012年の数字では、スポーツの生中継はテレビ番組全体の1.3%にすぎなかったが、ツイッターのテレビに関するつぶやきのなかでは生中継されているスポーツに関するものが実に41%を占めていた。

 あまり気づかれていないかもしれないが、テレビでフットボールを見る人たちは世界に一体感をもたらす巨大な勢力になっている。だから、やがて彼らのなかに経済的な理由からフットボールを見られなくなる人が増える可能性があるのは、まったく残念な話だ。

 テレビ観戦するファンは、最近ではごく普通の存在だ。しかし、それほど昔からいたわけではない。僕が子どもの頃には、テレビでフットボールが中継されることなどほとんどなかった。

 1980年代後半に英ITVテレビのスポーツ部門を率いていたグレッグ・ダイクは、イングランドのプロリーグ全試合の放映権として1100万ポンド(当時のレートで約25億円)を払うと持ちかけた。クラブの会長たちは高額のオファーに驚いた。「みんな目が飛び出しそうだった。信じられないという顔つきだった」と、ダイクは楽しげに振り返る。イングランドのプレミアリーグは今年2月、2016~17シーズンから3季分の国内テレビ放映権を約51億ポンド(約9300億円)で売った。

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