注目はミランの将来へ。アジアの投資家たちと本田圭佑

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(26)

 ピッポ・インザーギ率いるミランは、ミラニスタに心穏やかなイースター(キリストの復活を祝う日、イタリアではクリスマスに次いで大事な日である)を贈ってくれた。4月4日、ミラノから遠く離れたシチリア島の州都パレルモで、ミランは2-1と勝利。先週のカリアリ戦に続いて2連勝したことも重要だが、何より約5ヵ月ぶりにアウェーで勝ったことは大きい。ミランがこの前、敵地で勝利したのは昨年の10月半ば、対ベローナ戦だった。プレイや選手の態度からも、ミランが少しずつ自信を取り戻してきていることが感じられた。

パレルモ戦で決勝点を決めたメネス(左)とインザーギ監督(BUZZI/FOOTBALL PRESS)パレルモ戦で決勝点を決めたメネス(左)とインザーギ監督(BUZZI/FOOTBALL PRESS) ただ残念ながら、この試合に本田圭佑は出場していなかった。数日前の練習で足首を捻挫し、復帰までには数週間かかるという。パレルモ戦前の記者会見で、インザーギは本田の欠場は大きな痛手であると述べた。

 しかし――今現在、ミランにおいて最も注目されているのはチームの出来でも選手でもない。連日新聞やテレビを賑わしているのは組織としてのミランの将来である。

 メディアが日々報ずるストーリーはまるで推理小説のようだ。小説の作者はシルビオ・ベルルスコーニ。彼はミランの歴史の中で最も多くの勝利を挙げてきた会長であるが、30年を経て、今、名門ミランの株の一部を売ろうとしている。

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