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誰がミランに必要か。インザーギと本田圭佑の正念場 (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 どうやらイタリアサッカー界では"感謝の気持ち"というものは長続きしないようだ。全てがうまくいっているときはいいが、最初の困難にぶつかったとたん、それまで培ってきた功績はすべて忘れられてしまう。かつての英雄であろうとも容赦なく中傷が浴びせられるのだ。

 とにかくいまミランがどういう状況の下にあるのかを説明しよう。今シーズン、ミランは昨シーズンの不調を払拭し、新たなミランの黄金時代を目指して再出発するはずだった。それがふたを開けると昨シーズンと負けず劣らずのひどい年となってしまった。

 ベルルスコーニ会長はベローナ戦の後、インザーギに電話をかけ、新たに彼への信頼を表明したが、多くのメディアは次の月曜日に行なわれるフィオレンティーナ戦が、インザーギの最後の正念場だと見ている。そしてフィオレンティーナは強敵だ。今節ラツィオに大敗したが、それでも今シーズン最も調子のいいチームの一つであることは変わらない。それを試金石するのはインザーギにとってはかなりハードなことになる。

 ミランは開幕当初に定めた目標にたどり着くため、これから残された試合を全力で戦わなければいけない。しかし同時に今後の12試合はガベージタイムであるとも思われる。

 ガベージタイムとはNBAなどで使われる用語で、すでに勝敗がはっきり決まったあとの「消化時間」のことである。この時間を使って監督は今後使ってみたい控えの選手などを投入し、彼らの力量を推し量ってみたりする。

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