CLでレアルに敗退。シャルケ内田篤人が吐露した悔い

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第2戦、レアル・マドリード対シャルケ戦。毎年、チャンピオンズリーグで活躍することをモチベーションに戦っている内田篤人はこの日、ベンチスタートだった。

 ドルトムントとのダービーマッチやCLでの強豪との試合は「無理すべきとき」と公言してきた。そういういくつかの試合を戦うために長いシーズンをこなしているのではないかと思えるほど、強い意欲を示していた。だからこそ、少々のことでは音を上げないはずの男が先発の11人に入っていないのは信じがたいことだった。

レアル・マドリード戦に後半36分から出場した内田篤人レアル・マドリード戦に後半36分から出場した内田篤人 3日前に行なわれたホッフェンハイム戦も、前半35分からの途中出場だった。そのホッフェンハイム戦翌日、つまりレアル戦の2日前、内田はスタメン組と共にクールダウンを行なった。前日の出場時間からすれば当然のことだ。練習後、ディマッティオ監督が内田に話しかけた。

「最近は以前のように走れていないけれど、状態はどうなのか?」

 痛いところを突かれた。ただ単に「どうなのか?」と聞かれたのではない。状態を見抜かれていたのだ。内田のトレーニングを見るフィジオセラピストからも「監督がお前の状態をよく聞いてくるけれど」と、伝えられてはいた。だが、指揮官からのダイレクトな問いかけに、思わず本音が出た。

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