CLへ不安要素満載?バルサとレアル、それぞれの内紛 (3ページ目)

  • 山本美智子●文 text by Yamamoto Michiko
  • photo by Getty Images

 エジルがモウリーニョ監督によってベンチに干されていた時、セルヒオ・ラモスがエジルのユニフォームを自分のユニフォームの下に身に着けてプレイしていたのは、記憶に新しい。エジルはそれほどロッカールームで愛されていた選手のひとりだったのだ。今夏、「イスコをとったから、もう不要」と言わんばかりに、エジルをアーセナルへ放出したクラブ側に、最初に怒りを爆発させたのは、ロナウドだった。

「エジルの移籍は、僕にとって最悪のニュースだ。彼は僕がゴールを決める時の動きを頭から足の先まで、誰よりも知っていた選手だったのに」と不満を述べ、「エジルの放出に僕はすごく怒っている」と感情をあらわにした。

ロナウド(写真左)と契約延長し、ベイル(右)を獲得して、戦力が増したはずのレアルだが……ロナウド(写真左)と契約延長し、ベイル(右)を獲得して、戦力が増したはずのレアルだが…… ロナウドの契約更新急展開の裏には、こうしたロナウドの不満をなだめる意味合いも多分にあったのだろうが、それにしても、ここまで選手とクラブとの連携不足が明らかなのも、レアルにとって不安要素だ。

 しかも、この状態に「GKカシージャスのスタメン問題」も加わる。現在、アンチェロッティはカシージャスをリーグ戦では起用せず、チャンピオンズリーグ要員にする意図をにおわせているが、リーグ戦で日常的に使われていないGKが、ベテランだからといって、いきなりチャンピオンズリーグという大舞台でキレのあるプレイを見せられるものだろうか。

 多くの疑問を内包し、真価を問われるチャンピオンズリーグがスタートする。こういった外圧や内紛を乗り切ってこそ、ビッグクラブの名にふさわしいという見方もあるかもしれないが、まずはバルセロナ、レアル・マドリード、両監督の手腕を拝見するとしよう。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る