元サッカー日本代表・小林大悟が振り返る異色のキャリア ノルウェー、アメリカ、オシムジャパン (4ページ目)
「そこがサッカーのいちばんの面白いところというか、こだわりを持ってやってきた部分でしたからね。
引退してからは講演会などで自分の経験について話すこともあり、かつてテクニシャンだったと紹介されると、悪い気はしません。ただ最近のサッカーで、テクニシャンってどう思われているかを冷静に考えると、微妙な気持ちにもなります。テクニシャンというと、ピッチの中央でテクニックを使い、攻撃をコントロールするイメージがあると思います。一方で、どこか自由に、好き勝手にプレーしている印象もあるというか。
華麗なスーパープレーが決まればいいですが、うまくいかないと、ただのわがままみたいな(笑)。評価は紙一重で、いまではどちらかといえばマイナスなイメージさえあり、素直に喜べなくなってしまった自分がいます。それでもサッカーは、やっぱり想像の枠を超えてこそ面白い気がしますし、そこには少し歯痒さを感じたりもしています」
かつて"テクニシャン"と呼ばれた小林は穏やかにそう語った。言葉の奥には、いまもサッカーの本質を探しているその思いがにじんでいた。
小林大悟
1983年、静岡県生まれ。清水商業高校卒業後、東京ヴェルディ入団。U-20日本代表に選ばれ、2003年ワールドユース(現U-20ワールドカップ)に出場。2006年にはイビチャ・オシムによりフル代表に選出されトリニダード・トバゴ戦に出場している。大宮アルディージャを経て2009年にノルウェーのスターベク(ノルウェー)へ移籍。その後、ギリシャのイラクリスを経て、2011年に清水エスパルスに加入。2013年、MLS(メジャーリーグサッカー)のバンクーバー・ホワイトキャップス入団を皮切りに9シーズンをカナダ、アメリカで過ごした。2021年、バーミンガム・レギオンFCを最後に現役引退。
著者プロフィール
栗原正夫 (くりはら・まさお)
1974年6月11日生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、放送、ITメディアでスポーツにかかわり、2006年からフリーランスに。サッカーを中心に国内外のスポーツを取材し、週刊誌やスポーツ誌に寄稿。ワールドカップは1998年、夏季五輪は2004年からすべて現地観戦、取材。メジャーよりマイノリティ、メインストリームよりアンダーグラウンド、表より裏が好み。サッカー・ユーロ、ラグビーワールドカップ、テニス4大大会、NBAファイナル、世界陸上などの取材も多数。
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