【Jリーグ連載】東京ヴェルディ・アカデミーで伝統的に受け継がれてきたものと、現代サッカーのなかでさらに求められるもの (2ページ目)
あとは、得点につながる決定的なプレーができること。いいラストパスをさりげなく出す。それがカッコいいんです」
菊原は、「ただ、ヴェルディ(のアカデミー出身者)にもっと運動能力があれば......」と続け、「F・マリノスとか、FC東京とかに行くような選手の運動能力に、ヴェルディの感覚が加われば、もっとすごい選手が出てくるんだろうなっていう感じはしますけど」と、残念そうな表情をのぞかせる。
実際、11年ぶりにヴェルディユースが参戦した2025年の高円宮杯U-18プレミアリーグEAST(以下、プレミアリーグ)でも、彼らは常に体格で見劣りした。
ヴェルディユースの選手たちは「どこのチームとやっても、(平均して身長で)5㎝、(体重で)5kgくらい小さい」というのが、昨季までユースチームの指揮を執っていた小笠原資暁(現トップチームコーチ)が得た肌感だ。「ひどい時は、10㎝、10kg違う。ひとり10kg違えば、全然違いますからね」。小笠原は、そう言って苦笑する。
しかしながら、現状においては、ないものねだり。その一方で、対戦相手のある監督からは、「技術やサッカーIQでは、ヴェルディのほうが上だと思う。どういうやり方をしたら、毎年のようにああいう面白い選手が出てくるのか、興味がある」との声が聞かれた。
ヴェルディユースの選手たちは、運動能力で劣るからこそ、それを補う武器を身につけられた、とも言えるのだろう。菊原が続ける。
「山本理仁(現シント・トロイデン/ベルギー)とかも、うまいですよね。ちょうど僕がF・マリノスで試合に行った時、彼は中3でユースの試合に出ていたのかな。やっぱりボールを持った時の姿勢がいいんですよね。だから、いろんなものが見えて、いろんな選択肢を持って、そのなかから最適なものを選べる。そのクオリティが高い。
井上潮音(現ジュビロ磐田)や森田もそうだけど、パスの感覚だとか、プレッシャーのなかでもボールを取られないとかっていうところは、"伝統的なヴェルディのうまい子"って感じですよね。それはずっと受け継がれているものだと思います」
足元の技術に優れたDFやGKが育つのも、ヴェルディならではの特徴だろう。
菊原は、日本代表経験もあるGK菅野孝憲(現北海道コンサドーレ札幌)の名を挙げ、「高校の時は、ユースのBチームの試合とかだと、センターバックやセンターフォワードもやっていた」と振り返る。
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