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【Jリーグ連載】読売クラブでユースに上がれるかどうか、という選手がトップチーム入りを果たせたのはなぜか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Masaki Asada

 それでも、ユース選抜がトップチームと練習試合をすると、1-10くらいで負けていたので、とんでもない差があるんだなっていうのは、あらためて認識するんですけどね。

――ユース選抜とは何ですか。

冨樫 当時の読売には、ユースの上にジュニオールっていう(トップの)Bチームみたいなチームがあったんですけど、ジュニアユース(中学生)、ユース(高校生)、ジュニオールのなかから15人くらいが選ばれて、ユース選抜っていうチームを作って、トップチームのキャンプに行っていたんです。

――選ばれた有望な選手が、トップチームのキャンプに帯同できた、と。

冨樫 ユース選抜に行くと、(トップの選手と同様に)ジャージとスパイクがそろっていて、天然芝のグラウンドでトレーニングができる。ちょっと特別な、エリート感のあるチームでした。

 僕はそこに高1でようやく入れたんですけど、現在U-17日本代表の監督をやっている小野信義は、中2で入ってきて。どえらいうまくて、「なんだ、コイツ?」みたいな感じでした(笑)。

――ユース選抜に選ばれたことで、トップ昇格が現実的になってきた。

冨樫 でも、何となく近づいているなっていう感じはしていても、僕は高3の時でも、本当に(プロに)なれるとは思っていませんでした。そもそも僕は(年代別日本)代表にも選ばれていないし、横(のポジションでプレーしていたの)が中村忠だったので、「こういう選手がトップに上がるんだな」っていう感覚で見ていましたから。そんな中村でも、大学に行こうとしていたんですからね。

――それが、なぜトップ昇格に至ったのですか。

冨樫 僕は学校の先生になりたかったので、(大学)受験の準備をしていた時に国体があって、僕はそこで活躍したんですよね。そうしたら、いろんな大学から声がかかって、「これならどこか(の大学)に行けそうだな」と思ったタイミングで、「おまえ、トップに上げるぞ」と。僕にしてみたら、「大学に行こうと思っていたのに......」みたいな感じでした。

――どう決断したのですか。

冨樫 自分のなかでは、本当に(トップチームの)近くにいたからこそ、すごくレベル差があるのを感じていた。だから、ちょっと難しいんじゃないかなと思っていたのが正直なところでした。ただ、「人生は一回だし......」って考えた時、「ダメだったら、そこから勉強し直してもいいか」っていう気持ちで昇格させてもらいました。

(つづく)

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