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高校サッカー選手権で頂点に立つのはどこか? 今年も激戦必至! 優勝候補は複数 (4ページ目)

  • text by Morita Masayoshi

【青森山田、大津、流通経済大柏が集まったブロック】

Dブロック

この記事に関連する写真を見る「今年の青森山田(青森県)は浮き沈みが激しく、連敗も連勝もするシーズンでした。プレミアリーグは開幕4連敗スタートでしたが、その後は4連勝。インターハイ予選は八戸学院野辺地西(青森県)に負けて全国に出られなかったのですが、プレミアリーグ後期は5連勝して4位で終えました。リズムに乗った時の出力は、例年のなかでもトップクラスかなというチームに仕上がっています。

 目を引くのはFW深瀬幹太(3年)の覚醒で、今年はプレミアリーグで15点取りました。選手権予選決勝でも決勝ゴールを決めて、ここに来て点が取れるFWが出てきたのは大きい。CBもDF月舘汰壱アブーバクル(3年)、DF大場光翔(3年)という185㎝オーバーのふたりがかなり強烈で、最近はDF島津亮太(3年)を含めた3バックもやっていて、守備が安定してきました。

 流通経済大柏(千葉県)は、昨年からレギュラーが大幅に入れ替わったなかでも強さが際立っています。今年はJリーグ内定選手が4人もいますし、それ以外の選手もみんなクオリティが高い。インターハイも準決勝で大津(熊本県)に悔しい負け方をしていますし、昨年の選手権も目の前で日本一を逃しているので、リベンジを果たす要素が揃っている感じがします」(土屋氏)

「大津(熊本県)の存在も忘れてはいけません。プレミアリーグで優勝した昨年はタレントが揃っていて全国トップクラスのチームでしたが、主力のほとんどが卒業した今年はイチからのチーム作りを強いられたなかでもインターハイで準優勝。昨年のような圧倒的な個の力を持つ選手はいませんが、足元の技術がしっかりしている選手が多く、ビルドアップはとてもスムーズです。

 DF村上慶(3年)、DF渡部友翔(2年)の両SBが絡んでいく攻撃は見ものです。中盤にもMF有村颯太(3年)、MF岩﨑天利(3年)という縦に行ける選手がいて、インターハイで大暴れしたFW山下虎太郎(3年)もいるので穴がない。

 富山第一(富山県)も今年は悪くないです。昨年、選手権予選で負けたことがチームの刺激になっていて目の色が違います。『奪還』というテーマを掲げていて"強いトミイチ"を取り戻すんだと意気込んでいます。3バックはDF木下空(3年)を筆頭に180cmオーバーの選手が揃っていますし、前にも"ザ・点取り屋"という雰囲気がするFW山田聖心(3年)もいる。青森山田や大津と当たる可能性がある厳しい組み合わせですが、張り合えるだけの力はあるはずです」(森田氏)

著者プロフィール

  • 土屋雅史

    土屋雅史 (つちや・まさし)

    1979年生まれ。群馬県出身。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。近著に「高校サッカー 新時代を戦う監督たち」(東洋館出版)

  • 森田将義

    森田将義 (もりた・まさよし)

    1985年、京都府生まれ。10代の頃から、在阪のテレビ局でリサーチとして活動。2011年からフリーライターとしてU-18を主に育成年代のサッカーを取材し、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿を行なう。

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