高校サッカー選手権で頂点に立つのはどこか？ 今年も激戦必至！ 優勝候補は複数 (2ページ目)

【インターハイ優勝の神村学園の完成度は高い】

Ｂブロック

この記事に関連する写真を見る「神村学園（鹿児島県）の完成度は、今大会参加しているチームのなかでも一枚上かなという感じがします。どのポジションにも穴がないというか、誰がどこで出てもやれるすごさがある。Jリーグ内定選手も複数いるのですが、有村圭一郎監督が『夏を過ぎてからすごく伸びた』と仰っていたMF細山田怜真（３年）とDF堀ノ口瑛太（３年）には期待しています。

　細山田は右サイドが主戦場ですがボランチもできる。堀ノ口は３バックの右とボランチとサイドバック（SB）ができる。いろんなポジションができるふたりの存在が神村学園の戦い方の幅を広げている気がします。

　早稲田実業（東京都Ｂ）は隠れたダークホースだと思っていて、春の時点で選手権はあると思っていました。初出場だった２年前は守ってカウンターのチームで、１－０でも勝てばいいという感じだったのですが、今年はFW霜田優真（３年）の存在が大きく、チームの立ち上げから重心を前に置こうと掲げてきました。

　それと１年生の時に全国大会に導くゴールを決めたMF竹内太志（３年）が５－３－２のインサイドハーフに入っていることも大きなポイントで、ふたりがいるから攻撃的に戦えます。また、カウンターをひとりで完結できるスピードスターのFW篠田一（２年）も攻撃に彩りを加えています。チームのアイデンティティである泥臭く粘ってワンチャンスをモノにする姿勢がベースとしてありながら、２年前とは明らかに違って攻撃もできると森泉武信監督が仰っていました。

　日大藤沢（神奈川県）も面白くて、今シーズンもパスで崩していくスタイルが健在。GK橋本友翔（３年）、FW有川啓介（３年）と、前と後ろに軸となる選手がいるのは大きいですね」（土屋氏）

「僕も今年のインターハイ王者の神村学園には注目しています。インターハイ決勝でのボールを奪うまでのスプリントの回数が大津（熊本県）よりも少なかったというデータが印象的で、確実に速く力強くボールを奪いにいけていたから、相手陣内でのプレー時間が長かった。昨年の名和田我空（ガンバ大阪）が『僕らは走るチームだと思われないけど、めちゃくちゃ走っていますから』と笑っていましたが、テクニカルな印象が強いチームではあるものの、走力と強度が本当に高い。そこが選手権でもまた生きると思っています。

　密かに推したいのは３年ぶり出場の広島皆実（広島県）。近年は私学に飲まれて思い通りの結果が残せずにいたのですが、OBの上田貴典監督が今年の春に就任し、復活の予感がしています。上田監督は大学卒業後、広島の社会人チームでプレーしていたのですが、母校が選手権を戦う姿に感動し、大手企業を辞めて大学に通い直して先生になったという経歴の持ち主。サッカーも面白くて試合状況に応じて３バックと４バックをうまく使い分けるシステマティックなサッカーをしながら、長短のパスを繰り出すサッカーが印象的でした。

　岡山学芸館（岡山県）は優勝した３年前のチームと同じようにいいセンターバック（CB）がいるのがポイントで、DF江口陽向（３年）とDF吉岡大和（２年）のコンビは大崩れの心配がありません」（森田氏）