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【Jリーグ】早くも気になるJ1の残留争い 下位6チームの現状と見通しは? (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【移籍・補強が今後を左右しそうな2チーム】

 消化試合数が1つ少ないものの、横浜FCと同じく勝ち点19で18位につけるのが新潟である。シーズン序盤は守備で粘れず、後半に失点を重ねて勝ち星をことごとく逃してきた。それでも第9節神戸戦の勝利をきっかけに、第13節にはサンフレッチェ広島にも勝利するなど、粘り強く勝ち点を積み重ねてきた。

 しかし、6月の補強期間にFW小見洋太を柏レイソルに引き抜かれ、さらには大卒ながらすでに欠かせない主力DFである稲村隼翔が、今夏でセルティックへ移籍という報道が出た。

 稲村は第20節横浜FM戦で、見事な左足のロングフィードからダニーロ・ゴメスのゴールをアシストしたばかり。遅かれ早かれ、欧州クラブに引き抜かれていく逸材ではあるが、この苦境に出ていかれるとなればチームとしては大ダメージだ。決して潤沢ではない予算のなかで、攻守の主力を引き抜かれた穴をどう埋めることができるか。

 新潟と勝ち点差1で残留圏の17位につけるのがFC東京。松橋力蔵新監督のもと、新しいスタイルに挑戦するも定着に難儀し、不安定な戦いが続いてきた。とくに守備に関しては、28失点とリーグ最多。得点19も決して多くない。攻守に歯車が噛み合っていないのが今の順位を表わしている。

 第20節セレッソ大阪戦では、これまで続けてきた3-4-2-1のシステムから4-2-3-1に変更。2-2で引き分けたものの、ミドルブロックの守備からのカウンターが、マルセロ・ヒアンらタレントのポテンシャルを引き出していた。

 6月の補強期間では、不足していたSBにハノーファーから室屋成が5年ぶりに復帰。さらにカタールのアルワクラSCからDFアレクサンダー・ショルツ、浦和レッズからFW長倉幹樹を獲得するなど、積極的にピンポイントの補強を行なった。守備が整えば、浮上できる兆しは見えてきそうだ。

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