「ウチのサッカー部は本当になくなるの?」中学校の部活動改革はその後どうなっているのか (4ページ目)
【地域クラブの活動場所確保は課題】
「セレクションはせず、地域の子たちで頑張りたい。ただ、やるからにはとことん選手を伸ばして、プレーする選手も見ている人も楽しいサッカーを目指したい」
そう口にする松尾代表の熱意もあって、現在は私立学校から活動するグラウンドを提供してもらっている。それでも広さが限られるため、3学年が揃う再来年以降は別の場所での活動も考えないといけない。
他の地域では、既存のクラブチームが月謝を受け取ることを理由に営利目的とみなされ、公立学校のグラウンドが認められないケースが多く見られる。だが、山科ユナイテッドのような地域展開の受け皿となるクラブが活動していくためには、地域にある小学校や中学校のグラウンド開放がマストだろう。
京都市では2028年を目途に部活を完全に廃止し、地域や民間団体による「京都版地域クラブ(仮称)」と、複数の学校が合同で活動を行なう「放課後活動」の二軸で部活動を行なう予定だ。今後は山科ユナイテッドのような地域に根差したチームがどれだけ出てくるかが、子どもたちの今後を左右していく。
著者プロフィール
森田将義 (もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。10代の頃から、在阪のテレビ局でリサーチとして活動。2011年からフリーライターとしてU-18を主に育成年代のサッカーを取材し、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿を行なう。
【写真】充実の食事、きれいなひとり部屋……令和のサッカー部寮生活事情
4 / 4